フォルテコール 副作用と効果 – 犬猫の腎不全・高血圧・心臓疾患
「フォルテコール」は、「腎不全」「心臓疾患」の治療や予防のための動物用医薬品で、「高血圧」の治療にも使われます。
加齢とともに犬も猫も様々な病気にかかる可能性が高くなるので、いつこのような病気に関わることになるか分かりません。
今回はこの腎不全や心不全のお薬「フォルテコール」についての紹介です。
フォルテコールは腎不全や心不全の治療や予防薬
犬と猫で対象疾患が違います。
犬の場合は、「慢性心不全」
猫の場合は、「慢性腎不全」
どちらも長期的に治療が必要な病気です。
心臓も腎臓も機能が衰えてくると、それに抗うように頑張って血流を多くしようとします。
その結果、高血圧になり、さらに心臓、腎臓の負担となります。
フォルテコールは血圧の上昇を抑えることによって心臓や腎臓への負担を軽減し、心不全、腎不全の症状を軽くしようとする医薬品です。
よって、高血圧の薬として使用されることもあります。
犬の慢性心不全と猫の慢性腎不全を解説
では、具体的な症状について解説を致します。
犬の慢性心不全
フォルテコールは僧帽弁閉鎖不全症による慢性心不全に効果があるとされています。
慢性心不全とは一般的に心臓の機能が慢性的に低下する病気をまとめて表した病名です。
ご存知の通り心臓は生きていく上でとても大切な臓器です。主に血液を全身に送り出すポンプの役割をしています。
血液は細胞活動に必要な栄養を含んでいたり、体外に排出しなくてはいけない不要物質を含んでいたりするので、心臓というポンプがないと細胞が生きていけません。
この心臓の中は4つの部屋に分かれており、その内の左上と左下の部屋の間にある弁(血液の逆流を防ぐ扉状のもの)を僧帽弁と言います。
この僧帽弁が正しく働いていれば血流は一方向に流れて逆流することはありません。しかし、何らかの理由によってうまく働かなくなると血液が逆流して様々な症状が出てきます。
例えば、息切れや、呼吸の乱れ、むくみ、動悸などです。
原因によって外科的治療も選択肢の一つとなりますが、投薬治療の場合は血圧を下げたり不整脈を抑えたりして心臓への負担を減らしてあげます。
猫の慢性腎不全
腎臓は主に尿を作る臓器です。
生きていると様々な化学反応を体内で行っているので、常に不要な代謝物も発生しています。
これらを適切に体外に排出して健康を保つために尿はとても大切です。
よって、尿を作る腎臓の働きが弱まると、場合によっては命に関わる病気になってしまいます。
尿は血液から作られます。
細胞が作り出した不要な物質は血液によって腎臓まで運ばれます。
腎臓ではその血液をろ過して尿を作ります。
血液をろ過するので腎臓では大きな血圧が生じています。
その分、腎臓には大きな負担がかかっています。
なので、血圧がさらに高くなると腎臓へのダメージが許容範囲内を超えてしまい、機能不全に陥ってきます。
血圧をコントロールすることは腎臓への負担軽減においても重要なことなのです。
慢性腎不全なると、食欲不振や体重減少、頻尿や貧血になります。悪化してくると甲状腺機能亢進症や尿毒症になってしまうこともあります。
慢性腎不全の原因はウイルス感染や細菌感染によるものや先天性のものなど様々あり、特定が困難な場合もあります。
犬の慢性心不全と猫の慢性腎不全は、どちらも進行性の病気です。
そのため、病気そのものを完治させることは出来ません。
しかし、フォルテコールを使用して血圧を調節し、進行を遅らせることが出来ます。
フォルテコールの血圧調節作用
血圧が上昇する仕組みはいくつかありますが、そのうちの一つにレニン-アンジオテンシン・アルドステロン系があります。
腎臓からレニンというホルモンが分泌され、これがアンジオテンシンⅠという物質を作ります。
作られたアンジオテンシンⅠはアンジオテンシン変換酵素(ACE)によりアンジオテンシンIIに変換されます。
アンジオテンシンIIは全身の動脈を収縮させるとともに、副腎皮質からアルドステロンを分泌させます。
アルドステロンによって腎臓でのナトリウム排出が抑制され、結果、循環血液量が増加して血圧が上昇します。
フォルテコールの有効成分はこのアンジオテンシン変換酵素(ACE)の働きを阻害します。
フォルテコールはアンジオテンシン変換酵素阻害剤の一つであり、血管拡張薬として機能するのです。
猫に対しては、日本で初めて猫の「慢性腎不全」での使用が認められた「アンジオテンシン変換酵素阻害剤」です。
「腎臓」への負担が少ないお薬なので、シニアの犬や猫の「腎臓」の働きが低下している場合にも安心して使用できます。
フォルテコールの味と与え方
犬や猫が好む味に作られていて、飲ませやすい錠剤タイプのお薬です。
バニラ風味とビーフ風味があります。
投薬は1日1回で、食前や食後は関係ありません。
犬用も猫用も、体重によって飲ませる量が異なります。
2.5mgのものと5.0mgのものがあります。
体重に対して投与する量が少ないと効果がありません。
逆に体重に対して投与する量が多すぎると命の危険もあります。
飲ませる前には体重を測り、正しい量を飲ませてください。
原則として、獣医の指示のもと投薬するようにしましょう。
個人判断で投薬するのは危険ですので止めて下さい。
慢性疾患はずっと付き合っていかなくてはいけない病気です。
投薬期間も長期間になることがほとんどです。
フォルテコールを使用する場合の注意点
子犬、子猫及び体重1.25kg未満の犬猫には使用できません。
また、妊娠、授乳中の犬猫にも与えてはいけません。
副作用としては降圧剤として一般的な虚脱やふらつきがあるので特に初回投与時には注意してみてあげましょう。
その他、嘔吐、軟便、下痢がみられることがあります。
併用禁忌薬としてはカリウム保持性利尿剤と、非ステロイド性消炎鎮痛剤があります。
他のお薬も飲ませている場合や、サプリメントを飲ませている場合は、同時に飲ませて良いお薬なのかどうかを、必ず獣医に相談してください。
最近は、犬猫用のお薬手帳もあります。
お薬手帳などを使い、愛犬や愛猫に投与するお薬をしっかりと飼い主さんが把握してください。
フォルテコールの価格と最安値は?
フォルテコールを購入する方法としては、下記のお薬専門の通販サイトから購入が可能です。
《価格比較表》 | ご案内価格 |
1箱 | 3420円~ |
3箱 | 7903円~ |