セミントラ猫用の通販価格と副作用 – 楽天・amazonでの販売店は?
今回は猫の慢性腎不全のお薬「セミントラ」の紹介です。
猫も高齢になるほど多くの病気を抱えるリスクを持っており、特に高齢猫が注意しなくてはいけない病気の中で有名なものが腎不全です。
実に高齢猫の3頭に1頭は慢性の腎不全になると言われています。また、腎不全はとても難しい病気で、ずっと付き合っていく必要があります。
その1つの方法としてセミントラというお薬がありますので見ていきましょう!
目次
通販価格と楽天・Amazonの情報
動物病院で処方されるお薬の類は、通信販売が禁止されているため日本国内からの販売は出来ません。
その為、セミントラに関しても楽天や、Amazonなどのショッピングモールでの販売店は現在のところはありません。
個人輸入の形態で通販購入は可能となっており、下記より、最安値にて購入が可能です。
猫の慢性腎不全を解説
多くの高齢猫がかかってしまい飼い猫の死因の上位に位置する有名な病気です。
進行性の病気であり完全に治療することはできません。
食事を工夫したりお薬を使ったりして進行を遅らせて苦痛を軽減させながら付き合っていきます。
一般的に腎不全の疑いは多飲多尿がきっかけになることが多いです。
飼い猫が多飲多尿の症状を呈したら獣医さんに相談しましょう。
腎臓の役割
腎臓は尿を作ったりホルモンを分泌したりしているとても大切な臓器です。
尿は代謝によって生じた有害な物質や不要な物質を体外に排出するというとても重要な役割を担っています。
例えば、人間も猫も生きていくにはエネルギーが必要ですが、そのエネルギーは食事として摂取した炭水化物やたんぱく質などを分解して得ています。
タンパク質は炭素、水素、酸素をメインに窒素や硫黄を含んでいます。
このタンパク質を分解する過程でどうしても窒素化合物であるアンモニアが生じてしまいますが、このアンモニアはとても有害です。
なのでアンモニアは肝臓に送られて無毒な尿素に変換されます。この尿素も多くは体にとっては不要なので腎臓に送られ、尿中に入り排泄される訳です。
尿の中には他にも尿酸やクレアチニン、イオン、アンモニアなどが含まれています。
慢性腎不全はネフロンが壊れる
この尿を作る腎臓のネフロン(腎単位)という部分が徐々に壊れていってしまうのが慢性腎不全です。
ネフロンという部分は猫の腎臓1つにつき約20万個あります。
ネフロンの構成は糸球体、ボーマンのう、細尿管です。
糸球体と呼ばれる部分に毛細血管が分布していてここに強い血圧がかかり、血液中の小さい物質がボーマンのうという受け皿の部分にこし出されます。
こし出された血液は原尿と呼ばれボーマンのうの先の管(細尿管)を通り、体に必要な成分を血液中に戻す作業を経て最終的に尿になります。
細尿管は膀胱につながっているので尿は膀胱に貯められます。
慢性腎不全の原因
原因ははっきりしていません。
もともと持っていた基礎疾患から誘発される場合や、遺伝によるものなどが確認されていますが確定的なものはありません。
猫のネフロンは腎臓1個につき約20万個と他の動物よりも少なめなことで腎臓に負担がかかりやすいのかも知れません。
腎臓1つあたりのネフロン数は犬が40万個、人が100万個です。
慢性腎不全の症状
・ステージⅠ
腎臓の機能が33~50%残っている状態。
臨床症状はありません。腎不全の初期状態です。
・ステージⅡ
腎臓の機能が25~33%残っている状態。
食欲がなくなり体重が少し減っていきます。この頃から多飲多尿の症状が出ます。
・ステージⅢ
腎臓の機能が10~25%残っている状態。
体重低下、貧血、脱水、嘔吐、多飲多尿、尿比重の低下。
・ステージⅣ
腎臓の機能が10%以下になってしまっている状態。
末期の腎不全でほとんど食べなくなる。ステージⅢの症状に加え呼吸の異常や神経症状を呈す。重度の脱水と貧血。
ステージⅠは外見的な症状が見られないので、ポイントはステージⅡからの多飲多尿です。
水をたくさん飲み、尿をたくさんし始めた場合、腎不全を疑ってみるのも大切だと思います。
セミントラの効果と作用を解説
2014年7月に発売された比較的新しいお薬です。
有効成分はテルミサルタンで、慢性腎不全の進行を遅らせることを目的としています。
同様のお薬にはフォルテコールなどがあります。
セミントラの効果
腎不全は尿を作る部位が壊れていく病気で、尿を作ることに支障が出ます。
腎臓への負担は高血圧、タンパク尿などがあります。
先述の通り尿の生成にはネフロンと呼ばれる部分で毛細血管に血圧がかかることによって血液から分子がこし出されます。
よって高血圧の場合、ネフロンでの負担が増すことになります。
タンパク質は分子が大きく、本来は血液からこし出されることはありません。
しかし、腎臓の機能が低下していると尿の中にタンパク質が入ってきます。これが尿タンパクです。
尿タンパク自体が腎臓に負担をかけていますので、尿タンパクは腎不全の進行を早める要因ともなっています。
セミントラは血圧を下げて尿タンパクを減らすことを目的としたお薬です。
血圧を下げる機序はたくさんありますが、セミントラの成分であるテルミサルタンはレニン-アンギオテンシン系に作用します。
レニン-アンギオテンシン系の血圧調節
1.腎臓で作られるレニンが肝臓由来の血中アンジオテンシノーゲンを分解してアンジオテンシンⅠに変換
2.肺にあるアンジオテンシン変換酵素(ACE)がアンジオテンシンⅠをアンジオテンシンⅡに変換
3.アンジオテンシンⅡが全身の血管の筋肉に作用し収縮させ血圧が上がる
4.アンジオテンシンⅡは副腎皮質からのアルドステロン分泌を促進。アルドステロンが腎臓でのNaイオン再吸収を促進し血圧上昇。
テルミサルタンの作用
テルミサルタンはアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)として作用します。
つまり、アンジオテンシンⅡが働くために結合する受容体に作用してアンジオテンシンⅡが結合できない状態にするのです。
結果、アンジオテンシンⅡの働きが阻害され、腎臓でのNaイオン再吸収の抑制と糸球体内血圧の下降が起きて血圧が低下します。
この作用は世界初のものです。
これまでの降圧剤はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬が一般的でした。
フォルテコールもアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の1つです。
セミントラの3つの特徴
液状の薬剤なので飲みやすい
錠剤タイプではなく液剤タイプです。
ご飯にかけても良いですし、直接飲ませても良いです。
直接飲ませる場合はシリンジを使うと良いでしょう。
味が無いのでスムーズに飲める
無味無臭の薬剤です。フードにかけて与える場合、フード本来の味やにおいを邪魔することは無いので飲ませやすいと言えます。
直接飲ませる場合でも変な味やにおいがあるわけではないのでスムーズに飲んでくれるでしょう。
効果が長持ち
フォルテコールなどのアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬に比べてアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)は効果の持続時間が長いとされています。
臨床試験によるとACE阻害剤が30日の持続に対しセミントラは180日の持続が確認できたとされていますので効果は6倍ということになります。
セミントラの副作用と注意点
制限事項として以下が挙げられています。
・6カ月齢未満の猫には投与しないこと
・体重が2kg未満の猫には投与しないこと
・慢性腎不全の末期では効果が確認されていないので投与しないこと
副作用としては以下が挙げられています。
・嘔吐、軟便、下痢
・肝酵素の上昇
・虚脱、ふらつき
効果や副作用についても臨床試験で検証はされていますが、現場での使用経験は他の薬剤に比べるとまだ浅いためこれからのお薬と言えます。
従来のACE阻害薬を好む獣医さんもいらっしゃいます。
ACE阻害薬とARBについてはどちらも最終的な効果は同じです。作用機序が違いますがどちらが優れているというものでもないと言われています。
慢性腎不全がどこから由来しているのかや、その時の症状、ステージなどから総合的に判断して使用されています。
場合によっては両者のお薬を併用することもあるようです。
いずれにしても慢性腎不全は完治する病気ではなく、罹患した猫ちゃんのこれからの時間を少しでも穏やかに過ごしてもらうための方法がこれらのお薬です。
使用に関しては獣医さんの指示や説明をよく聞いて判断されるとよいでしょう。