犬猫の遺伝子検査の費用と価格 – 遺伝子疾患や病気から守る!
「遺伝子検査」とは人間でも最近知られてきた、病気になりやすいかどうかを遺伝子学的に調べる痛みのない検査です。
この遺伝子検査は、人間だけでなく犬にも行われています。
今回は、犬猫の遺伝子検査や気になる費用についてお話します。
ぜひ参考にしてくださいね。
目次
犬猫の遺伝子検査
犬の遺伝子検査でわかる事は何でしょうか。
主なものを4つ、紹介します。
1、遺伝性疾患が分かる
2、親子かどうかがわかる
3、犬種が分かる
4、愛犬の個体識別ができる
では、1つずつ見て行きましょう。
1、遺伝性疾患が分かる
犬の病気の中には、遺伝的に発症しやすいとされる病気がいくつか存在します。
その病気の例を挙げると、
【目の疾患】
トイプードルに起こりやすい進行性網膜萎縮症(prcd-PRA)
コリーをはじめシェルティやボーダーコリーに発症しやすいコリー眼異常(CEA)
【神経系の疾患】
柴犬に起きやすい神経系疾患であるガングリオシドーシス(GM1)
老廃物が脳神経細胞に溜まってしまうセロイド・リポフスチン症(CL症)
後ろ足の麻痺から始まり呼吸器障害へと進行する変性性脊髄症(DM)
【血液の疾患】
感染症と戦う好中球が減少して重度の感染症になってしまう遺伝性好中球減少症(TNS)
出血すると止まらなくなるフォンビルブランド病(VWD)
【関節の疾患】
股関節の形が不完全で後肢の動きに影響が出る股関節形成不全(HD)
これほど多くの病気は体の中に存在する遺伝子が原因で発症すると言われています。
遺伝子検査をしておけば、この病気となる遺伝子を犬が持っているかどうかが分かるため、発症リスクが高ければ将来の病気への備えが出来るようになります。
たとえ今発症していなくても病気になる前に、病気になった時の事を考えて行動できると、愛犬の生活の質(Quality Of Life/QOL)を高める対策を取ることができます。
また、子供を産ませようと考えている方にとっては、子供に遺伝子疾患が伝達しないように配慮することも可能です。
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2、親子かどうかがわかる
子犬は、父親と母親からそれぞれ半分ずつの遺伝子をもらって産まれてきます。
血統を重んじる犬の純血種などでは、2頭以上の雄犬と交配させた雌犬が産んだ子供がどの両親の子かはとても重要です。
また、予期せぬ妊娠をした際にも遺伝子検査があるお陰で、どの親の子供かがわかります。
遺伝子検査は親子関係があるか無いかがはっきりとわかります。
アメリカン・ケネル・クラブという、アメリカに存在する犬の保護団体では、血統書に登録された情報の約10%に誤りがあると報告されています。
日本にあるジャパン・ケネル・クラブでも同一の間違いがあるかもしれません。
純血種だと思って飼った犬が、雑種だったり,チャンピオン犬の血統を持つ親から生まれたと思っていた犬が、何も受賞歴のない親犬だったりと、遺伝子検査をするだけで判明します。
正当な血統を維持するためには、親子鑑定が必要ですね。
3、犬種が分かる
純血種であれば、犬種判定は外見からでも容易ですが、雑種ではどうでしょう。
体格や耳,体の毛の色,しっぽの形,性格や目の形など、雑種であればあるほどどの犬種が混じっているのかはわかりにくいですよね。
雑種も元をたどれば純血種の親が必ず存在します。
どの純血種から雑種になり、あなたの飼い犬へとなったのか、この遺伝子検査で判明させる事が出来ます。
どの犬種に近いかが判明すれば、遺伝子的に病気になりやすいものも把握できますし、遊び方やグルーミングの仕方の手助けになるかもしれません。
混雑種が多くいる保護犬などでは、保護する際に犬の行動特性を事前に把握するためにDNA検査を受けた方が望ましいともされています。
ゴールデン・レトリバーの血統が混ざっていれば飼い主に忠実だし、ダックス・フントの血統が混ざっていれば吠え癖があり椎間板ヘルニアに気を付けるなど。
犬を保護する=飼うにあたって、事前の心構えができるのは安心ですね。
4、愛犬の個体識別ができる
犬の個体識別といえば、体に埋め込むマイクロチップが有名です。
体の中に埋め込まなくても、愛犬の遺伝子検査をすれば、そのDNA配列が判明します。
このDNA配列は世界に1匹しかいない、あなたの愛犬の独自の証明書になります。
DNA配列は、たとえ双子であっても同じものは存在しません。
犬の遺伝子検査の費用
気になるのは、犬の遺伝子検査の費用ですね。
各会社でそれぞれ遺伝子検査の費用や項目は異なりますので、参考にしてください。
≪1、株式会社VEQTA/ベクタ≫
遺伝性疾患検査
7,500円/1項目
12,000円/2項目
17,000円/3項目
22,000円/4項目
27,000円/5項目
親子鑑定 12,000円
≪2、Orivet≫
通常価格(単検査)
10,200円/頭
追加検査 4,500円/頭・項目
セット検査
推奨疾患検査、コートカラー検査、DNAプロファイリング代
19,300円
DNA親子鑑定
10,200円/頭
DNA犬種検査
14,500円/頭
病気が心配な飼い主様には、ペット保険がオススメ
遺伝子検査では、遺伝性の疾患を知ることが出来ますが、デメリットは高額である点です。
しかしなかがら、突然の病気や怪我はいつ起こるかわからないものですよね。
そんな事態にも対応できるよう、人間と同じくペットにも保険を掛けてあげることが重要です。
ペット保険の場合は月額ですが、遺伝子検査よりも断然安く安全が守られるためおススメです。
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遺伝子の基礎知識
遺伝子検査で病気や両親の繋がりが分かる事は、なんとなく知っている方も多いと思います。
この遺伝子、きちんと知っていますか?
犬も人間も細胞が集まって体を形成しています。
この細胞1つ1つの中には「核」が存在していて、核の中には「染色体」があります。
この染色体、人間は46本,犬は78本と動物によって持っている数が違いますが、半分は父親から、半分は母親から受け継いだ染色体になります。
その染色体をもっと細かく見ていくと、ひも状のらせん構造「DNA(デオキシリボ核酸)」が現れます。
DNAのひも状部分は糖とリン酸という物質でできていて、その間の橋渡しをする物質は塩基と呼ばれています。
この塩基はA(アデニン),G(グアニン),C(シトシン),T(チミン)という塩基物質で形成されていて、この並び順が遺伝情報になります。
遺伝情報の単位を「遺伝子」と呼んでいます。
この遺伝子の並び順によって、体の中でたんぱく質が合成され、体を形作る事が出来、生命維持活動も出来るようになる、欠かすことができない存在です。
遺伝子検査は、採血をするなどと言った痛みを伴うものではなく、頬の内側にある細胞を綿棒でこそぎ取るだけでOKです。
痛みを伴わないので、犬にも優しい検査ですね。
犬の遺伝子検査は日本ではまだ一般的ではなく、行っている会社が少ないのが現状です。
アメリカのニューヨークにある高級マンションでは、犬を飼う居住者に対して飼い犬のDNA検査を義務付けるところもあったそう。
日本にもっと犬の遺伝子検査が広がれば、遺伝子疾患を患う子は激減するでしょうし、犬の性格に合った生活環境を与えてあげられるので、人にも犬にも優しい世界になりそうですね。
●人間の遺伝子検査についてはこちら
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