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猫のおしっこが出ない・少ない・嘔吐 – 尿道閉塞(結石)を徹底解説!

2017年8月17日

オス猫が気を付けた方がいい病気の一つに、「尿閉」という病気があります。

尿閉とは、何らかの原因により尿道が塞がれて尿が出なくなってしまう病気です。

出したいのに出せなくなり、排泄物が体の中に溜まって尿毒症になってしまいます。

この尿毒症は、元気消失・嘔吐などの症状が出て死に至る場合もあります。

オス猫に注意が必要な理由とは?

尿閉の原因として多いのが、尿路結石によるものです。

水を飲む量が少なくて尿の濃度が濃くなってしまったり、食べているキャットフードの成分によって結石ができることがあります。

オス猫に限らず、メス猫や犬でもできるものなのですが、オス猫はメス猫や犬に比べて尿道がとても狭いので、少しの結石でも尿道を塞いでしまいやすいのです。

猫ちゃんの様子がおかしいと動物病院に来院される頃にはもうしっかりと尿道がふさがっていることがほとんどで、すでにぐったりとしてしまっている子も少なくありません。

どんな処置をするの?

人間と違い、「痛いけどじっとしててね、我慢してね」は通じません。

尿閉の処置をする子のほとんどの子に麻酔をかけて眠ってもらいます。

その状態で、尿道にカテーテルを入れて生理食塩水を入れます。

尿道を塞いでいる結石を一旦膀胱に戻すということです。

この処置が、なかなか困難です。

しっかりと塞いでいればいるほど、そんなに簡単にするするっと生理食塩水が入っていかないのです。

尿道を傷つけないよう、力いっぱいカテーテルを差し込むわけにもいきません。

生理食塩水をシリンジでゆっくりと注入するのですが、横から漏れて補助している看護師たちがびしょびしょになってしまうこともよくあります。

その場にいる全員が緊張感たっぷりで真剣に処置をするので、開通したときはものすごい安堵感です。

開通した後は、カテーテルをつないだまま入院してもらいます。

点滴治療をしながら、カテーテルを通じて出てきた尿を検査して結石の成分を調べます。

管だらけの入院生活になるので、点滴・カテーテルの管をかじって取ってしまわないよう注意が必要です。

やんちゃ盛りの猫ちゃんであればあるほど、ぐるぐる巻きにしてしまっていたりするのです・・・。

何度も鳴り響く点滴の閉塞音・・・。

困ったなあ、と思い通つつも、元気があるのは何よりですよね。

結石にも種類がある!

尿閉の原因となる尿石には、いくつか種類があります。

よく見られるものが「ストラバイト結晶」というものです。

このストラバイト結晶は、食事療法で溶かすことができます。

少し値段は高いですが、療法食を食べながら治してもらいます。

次に見られるものが「シュウ酸カルシウム結晶」というものです。

このシュウ酸カルシウム結晶は食事療法では溶かすことが出来ません。その場合、手術をして取り除くことになります。

その他にも結石の種類はありますが、ほぼこの2種類の尿石が検出されます。

結石ができる原因は?

水を飲む量が減って尿の濃度が濃くなることと、キャットフードの成分によることが原因のほとんどです。

そのため、季節性の症例というわけではありませんが寒い季節によくみられる疾患のような気もします。

市販の安いキャットフードを与えていたり、キャットフードではないものを与えているご家庭の猫ちゃんもよく来院されるように感じます。

キャットフードは、猫に必要な栄養素などを考慮して作られているので、なるべく人間と同じものを食べさせずにキャットフードを与えるようにしましょう。

また、あまりにも安いキャットフードは結石の原因となる成分がはいっていることがあるのでおすすめしません。

こんな症状が見られたらすぐに動物病院へ!

元気がない・食欲がないことはもちろんですが、何度もトイレに行く姿を見たら要注意です。

ほとんどの猫ちゃんはトイレ中の姿を見せるのを嫌いますが、そっと覗いてみて下さい。

いつもより長い時間排尿ポーズをとっていたり、その割に尿が全然出ていなかったら尿閉の可能性があります。

排尿中に痛がって鳴く素振りを見せることもあります。トイレに行く回数・尿の量・排尿中の様子をしっかりと見てあげてくださいね。